藤沢市議会に、瀬戸内海での原発新設に向けたボーリング調査を止めるための陳情が出されましたが、委員会での審議の結果、反対多数で採択されませんでした。
陳情を提出した方は、福島での原発事故で被災した経験があり、いまは市内に住んでいます。中国電力は、山口県上関町に原発を新しく建設する計画で、工事に向けて、沖合いでのボーリング調査を行ないたい考えです。
このボーリング調査について、山口県は、調査を許可する決定を行なっていますが、抗議活動が起きています。
陳情は、ボーリング調査を撤回するよう山口県に意見書を出すよう求めるもので、理由として瀬戸内海には、スナメリなど希少生物が数多く生息し、貴重な海藻も生えているのに、調査によって海底から出る泥が、影響を与えるとしています。また圧倒的な漁獲量を誇る漁業への影響も懸念されるとしています。
湘南の海を大切に思う藤沢市の気持ちは、瀬戸内海を大切にする上関町と共通するだけに、陳情の趣旨に賛成しました。国さえ、原発の新設については触れていないのにこうした動きがあるのは、拙速であり、たいへん驚きました。
中国電力はその後、調査を一時中止すると発表しましたが、ニュースがあまり全国で流されないのは残念に思います。