子どもたちの個性を重んじた教育を掲げて、今年度開校した長野県佐久穂町の私立小学校の考え方について学ぼうという催しが藤沢市で開かれました。
この催しは、子どもたちの放課後の居場所づくりに努めているNPO「ふじぽけ」が開いたもので、オランダなどで盛んな「イエナプラン教育」を実践する大日向小学校の関係者が講演しました。
大日向小学校の最大の特徴は、3学年ごとに一つのクラスが編成されている点です。義務教育では、同じ年齢の子どもたちが机を並べて一斉に勉強しますが、この学校では違う年齢の子どもたちが、自分のペースで一緒に勉強しています。
学校では、個性を尊重し合うことを柱としていて、そのために対話を重視しています。一日の時間割もユニークで、対話の時間が2回も設けられているほか、自然に入って「遊ぶ」時間もわざわざ設けられています。
わたしは、こうした自由な教育は素晴らしいと思う一方、こうした取り組みが、「特別な学校」の中で終わってしまい公教育まで広がらないことに不満を感じています。
参加者の中からも、「公教育がもっと自由になってほしい」とか「行政が指導力を発揮してほしい」といった意見が出されていました。
公教育の歴史は、受験を念頭にした画一的な教育と個性を重んじた自由な教育のいがみ合いだったとも言えますが、参加者からは、「受験より個性を選ぶ」という発言が出て、勇気づけられました。