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決算での意見要望(前文記載)

藤沢市の昨年度の決算について所属する会派、民主クラブを代表して意見と要望を述べる栄誉に預かりました。原文のまま以下に記したいと思います。


昨年度の一般会計決算などについて賛成の立場からは
民主クラブの討論を行ないます。
わたしは今ほど公共の意味が問われているときはないと思っています。
公共とは何か。
先の一般質問で竹村議員は、
相模原市の障害者施設での殺傷事件を取り上げ次のように
訴えました。
「今年4月から障害者差別解消法が施行され、
障害の有無にかかわらず、
共に生きる新しい時代が始まったはずだった。
しかしその希望は最悪の形で打ち砕かれた。
容疑者は、障害者は生きていても仕方がない、
安楽死させた方がいいと述べたと言われている。
いま日本には醜悪なヘイトスピーチが蔓延している。
ネットには
彼の主張は正しいなどの書き込みも相次いだ。
事件の本質は、私たちの社会には
根深い差別や偏見があることだ。
事件の再発を防ぐためにも
お互いの違いを認め合い、
共に生きる社会の実現に努めるべきだ」。
事件が起きた津久井やまゆり園は、
社会福祉法人が指定管理者となっている
神奈川県の施設です。
いわば公共が、社会全体が施設で暮らしていた
人たちを支えていたわけです。
そういう観点でみれば
今回の事件は公共に対する、
社会全体に対する暴力だとも言えます。
それは税金の使い道を決め、執行する行政、
および議会に対する暴力とも言えます。
厚生環境常任委員会は、
腎臓の機能低下に伴う人工透析を受ける患者のグループが、
来年度の支援継続を求める陳情を採択しました。
人工透析は、
老廃物を含んだ血液をろ過できない患者が
機械でそれを取り除くため
一度血液を外に出して再び戻すものです。
週三回の透析が必要で、
一日当たり4時間以上がかかります。
透析にかかる費用は、
月額で40万円以上と言われます。
わたしの東京の親戚も透析を受けています。
長年の透析で針を刺す血管部分は、
細い腕の中でひときわ膨れ上がっています。
体力も消耗しますが、
穏やかな生活を送っています。
患者の多くは、自己負担額は大幅に抑えられています。
公的な支援がなければ
事実上、生きていくことができません。
委員会での採択は、
透析患者を社会全体で支えていくんだという
強いメッセージになったと思います。
公共が守られたのです。
昨年度の支出を見ますと、
全体に占める
社会保障など民生費、そして衛生費を合わせた額は、
半分に上っています。
今後、社会保障費は増大していきます。
ますます厳しくなる財政の中で何を優先するべきか、
何を守るべきかが問われています。
こうした視点から
各分野について意見と要望をさせていただきます。
▲生活保護についてです。
生活保護の目的については
憲法に基づき、
国が生活に困窮するすべての国民に対して必要な保護を行ない、
最低限度の生活を保障すると共に
その自立を助けることとあります。
生活保護の受給者に対しては
昨今、風当たりも強くなっていますが、
重要な権利です。
生活保護への申請をためらっている方や
漢字など申請書類が読めず、
申請自体ができない方もいらっしゃいます。
識字率も100%ではないという
指摘もあります。
万人が分かるよう書類の書き方にも
工夫されるよう要望します。
▲言葉の問題は
広報ふじさわなど配布書類においても同じことです。
法律に基づいてバリアを除く合理的配慮が
義務付けられています。
市内には障害者の方が1万5000人いらっしゃいます。
点字や音声だけでなく
フリ仮名を付けたり、
内容を分かりやすくしたバージョンなど
読者のニーズに合った工夫をお願いいたします。
▲言葉の問題はさらに
日本に長く住む外国人や
言葉が不自由な日本人の間でも横たわっています。
市内にもたくさんの外国籍の方が
生活しています。
イスラム教では豚肉は食べられませんが、
こうした文化を尊重しなければなりません。
給食やレストランでもそうですが、
豚肉を含んだ料理がないか
表示することが求められます。
市役所の書類なども
いわゆるお役所言葉を排し、
外国人の方が理解できるようひらがなを使ったり、
分かりやすい表現を使う工夫が必要です。
▲次に子ども貧困についてです。
現在、6人に一人の子どもが貧困にあると言われます。
市内の三か所で開かれている学習支援プログラムには、
家庭の経済的事情により、
授業に追いつけなかったり、進学をあきらめてしまった
子どもたちが通っています。
先輩議員の紹介でわたしも南部の学習室を
何度か尋ねましたが、
元教師の方々が一対一で子どもたちと
向き合っています。
わたしはまだお客さん扱いですが、
信頼関係を作ってきたんだなと感じました。
先日はスリランカ出身の子どもが来ていました。
まだ溶け込めない様子でしたが、
日本語をしっかりと学んで将来的には
大学に進みたいと言っていました。
プログラムを運営する団体では、
子どもたちの抱える背景についても心を配っています。
学習支援の場であるばかりではなく、
居場所としても重要な意味合いもあります。
いまは三か所となっていますが、
更なる設置を希望いたします。
▲介護の問題についてです。
ここにいらっしゃる方々の中にも
ご家族や親せきの介護に何らかの形で
関わっておられる方が多いと思います。
長年の介護やいわゆる老老介護で
心身ともに疲れ、
心に余裕がなくなるケースも少なくありません。
最悪の場合、お年寄りへの虐待に発展する
可能性もあります。
市としても虐待防止に向けて
様々な啓発活動に努められていますが、
介護される側だけでなく、
介護する側、いわゆる「ケアラー」を孤立化させないため、
一段の支援をよろしくお願いいたします。
また若年世代が介護する「ヤングケアラー」も
問題になっています。
実態調査を含め、若年世代による様々な問題にも
一段と取り組むようお願いいたします。
▲雇用についてです。
市役所内に設けた障害者の就労の場「ジョブチャレ」では
6人の方が働いておられます。
国は地方自治体と民間企業に
一定の障害者を雇用するよう求めていますが、
法定雇用率を達成するのはなかなか困難です。
そんな中、市役所が率先して
働く場を提供するのは
民間企業に対する大きな働きかけになります。
これまで障害者の方には
難しいと考えられていた仕事についても、
何をどう工夫すれば
取り組むことができるのか
市役所内で一つずつ実証していけば、
それは先進事例となります。
先進事例が増えれば
企業側も雇用しやすくなるはずです。
一方、自宅への引きこもりなどの若者を支援する
「ユースワークふじさわ」ですが、
そもそも家から出ることが難しいわけです。
市民センターへの出張相談会を開催されていますが、
それに続いて
横浜市のように自宅訪問まで踏み込んだ相談が望まれます。
利用者の立場に立って
二つの事業の更なる充実をお願いいたします。
▲公共の意味合いを問いましたが、
政府も新しい公共の考え方を打ち出しています。
行政だけが公共の役割を担うのではなく、
市民や民間企業など地域のさまざまな主体が、
公共の担い手として当事者意識をもって活動する、
支えあう社会をつくることだとしています。
その代表例が、
在宅介護などを柱とした地域包括ケアシステムでしょう。
市民の困りごとを発見し、解決する
コミュニティソーシャルワーカーの設置は成果の一つです。
しかしそれ以外はいまだ、
具体的な姿が見えにくいという印象がぬぐえません。
めざす方向性は正しいのですが、
みんなでやるは誰もやらないになり兼ねません。
藤沢市も地域に丸投げすることはしないと
お答えしています。
藤沢市が橋渡し役をこなしながら
役割の明確化をお願いいたします。
▲子育てについてです。
去年、藤沢市が主催した
男性の育児休暇取得に関する
講演会に出席しました。
その際、社内の出世競争が厳しい中、
育児休暇を取るなんて難しい、休んでたら取り残されてしまう、
社会の流れとしてはそういう方向になるべきでが、
いまは現実的ではないかなと思っていました。
しかし保育行政を調べるにつけて
これは総力戦で対応しなければならない、
サラリーマンが多い中、
特に企業が果たす役割は大きいんじゃないかと気付かされました。
これは育児だけでなく、
介護にも当てはまります。
介護離職を防ぐためにも
休暇を取れるような体制づくりが重要です。
まず市役所自らが休暇の取得を実践すると共に
仕事と子育ての両立をめざす
企業の事業主行動計画を実行するよう
働きかけをお願いします。
▲次にがん検診についてです。
肺がん検診などの受診率が高い一方、
乳がん検診などの受診率はまだ改善の余地があります。
病気を未然に防ぐことは、
健康寿命を延ばすことにもつながります。
早期発見、そして早期治療はまた、
増大する医療費の抑制にも役立ちます。
先日、桜井議員から健康のありがたさ、健康診断の重要性を
教えられました。
その際、感じたのが桜井議員の熱意です。
藤沢市もご努力されていますが、
さらなる呼びかけ、
そして女性特有の病気については、
女性医師が担当する病院の明示など
受けてみたいなと思わせる
一段の工夫をお願いいたします。
▲歯科治療についてです。
歯医者に通えない障害者やお年寄りへの
歯科治療は重要です。
わたしもかつて、障害がある少年が
国の事業で歯科治療を受ける様子を取材したことがあります。
全身麻酔が必要なため、
麻酔医が立ち会う中での治療でした。
治療が終わるまで
その子のお母さんが心配していた様子が思い出されます。
口の中を清潔に保つことが
病気の予防につながるだけに
多額の費用ではありますが、
今後も継続を要望いたします。
▲防災についてです。
東日本大震災では
障害者の死亡率は
健常者の2倍だったという調査もあります。
いわゆる災害弱者を救うには
普段、どれだけ共生社会ができているかに
かかっています。
それは外国籍の市民についても同じことです。
どれだけ支援が必要な外国人の方が
いらっしゃるか調査した上で、
地域の防災訓練への参加を促すよう要望します。
▲最近の異常気象で増えているのが
土砂災害です。
住宅が5軒以上ある傾斜地については、
神奈川県ががけ崩れの恐れがある危険区域に指定していて、
市内にも18区域が対象となっています。
神奈川県による工事も進んでいますが、
防災意識の高まりもあり、
工事の早期着工を求める要望が多いと聞いています。
藤沢市としては津波対策の避難路となっている
片瀬山地区での工事を単独事業で実施しています。
多額の費用が掛かるだけに大変ではありますが、
県への更なる働きかけをお願いいたします。
また要件を満たせずに危険区域に指定されていない
傾斜地についても配慮をお願いいたします。
▲津波対策についてです。
南部での津波対策として
湘洋中学校に避難施設となる校舎が
増築されていますが、
住民の不安は尽きません。
高知県の室戸市では
横穴式の避難シェルターが先日完成しました。
津波避難ビルがない空白地への
地下型の避難シェルターの設置について
引き続きご検討をお願いいたします。
▲ごみ収集についてです。
住宅地の細分化に伴い
資源ごみの収集場所をどうするかで
一部自治会が苦労しています。
地域の特性を考慮しながら
対応したいというお答えでしたが、
高齢化がますます進む中、
お年寄りの負担を軽減するため
一段の対応を要望いたします。
▲次に教育についてです。
教師の多忙化が問題となっていて、
とくに部活動を抱える中学校教師の多忙化が
指摘されています。
脇議員と友田議員の一般質問でも
取り上げられましたが、
教育委員会では
部活動は生徒の自主性と自発性に基づくものであり、
強制的に入るものではないと述べています。
それにもかかわらず、
実際は正規の教育課程のように位置づけられ、
「勝利至上主義」の過度な活動が目立ち、
教師の多忙化に拍車をかけています。
解決すべき課題として
教師の意識、学校の体制、そして人的配置を
挙げられましたが、
多忙化は最優先すべき勉学、そして
教育の質そのものに影響を与えかねません。
多忙化の解消に向けて
まずは土曜日か日曜日は、部活動を休むにすることや、
教師の更なる配置に向けて
ご検討をお願いいたします。
▲いじめ対策についてです。
被害者だけでなく
加害者の抱える困難にも目を向けようという
藤沢市の条例は画期的です。
いじめを苦に自殺した県外の中学校を
取材したことがあります。
学校が当初、いじめはなかったという中、
子どもたちの話を聞くと話は違いました。
いじめの中心となっていたと言われる生徒は、
こんな日でも、友人とふざけあっていて、
怒りさえ感じました。
それでも怒りや憎しみを超える、
それでも加害者にも寄り添う、
こうした思いに至るには勇気がいります。
しかしそうしなければ根本的な解決は
見いだせないことでしょう。
大人だけでなく子どもも条例を読んで、話し合える
子ども用のパンフレットの配布など
一段の周知を要望いたします。
また子どもの困りごとを家庭環境まで広げて対応している
2名のスクールソーシャルワーカーが
活躍しておられますが、
課題の解決に追われ、いっぱいいっぱいの状態です。
是非とも増員をよろしくお願いいたします。
▲小学校の給食調理室の空調整備についてです。
調理室では、夏の暑いときでさえ、調理しなければなりません。
窓も開けられないのです。
このため熱中症とみられる症状で
具合が悪くなる調理員が相次いでいます。
昨年度、熱中症で死亡した人数は、
全国で968人、神奈川県内で52人に上ります。
熱中症の重篤者を出したらだれが責任を取るのか。
普通教室の空調整備と合わせて、
計画的に実施していくとのことですが、
労働安全衛生の観点から
最優先で整備をお願いいたします。
▲文化についてです。
藤沢宿交流館には、
江戸時代の朝鮮通信使の展示があります。
藤沢に9回も宿泊したということで、
この地が韓国朝鮮との友好関係を紡いでいた歴史を示す
重要な展示だと思います。
日韓関係がぎくしゃくしている今こそ、
国際的な交流の場になるよう取り組みをお願いいたします。
▲浮世絵館とアートスペースについてです。
文化の拠点として市民会館との
すみ分けが必要だと考えます。
辻堂は現代アートの拠点として
若手アーティストを徹底的に応援することが重要です。
そのため宿泊機能を設けることや、
浮世絵とのコラボレーションを要望いたします。
▲平和行政についてです。
アメリカのオバマ大統領が被爆地広島を訪れました。
わたしも核兵器廃絶を宣言している藤沢市を代表する思いで、
平和公園を訪れ、
豆つぶほどしか見えない大統領の演説を
市民と共に聞きました。
藤沢市も子どもたちを広島・長崎に派遣したり、
4つの中学校が修学旅行先の一つとして
広島を選ぶなど力を入れておられます。
第三の被爆と言われる第五福竜丸が展示されている
東京・夢の島への日帰り見学など
更なる平和学習の充実をお願いします。
▲観光について申し上げます。
オリンピック・パラリンピックを契機に
産業としての観光を盛り上げようという
機運が高まっています。
観光は藤沢市の柱の一つですが、
わたしはオリンピック・パラリンピックで
何を発信するのか、
何を見てもらうのかが大事だと思っています。
沖縄に駐在していたとき、
サミットが開かれました。
世界から来る首脳に何を見てもらうのか、
国内唯一の地上戦を体験し、
日本と中国の間で交易してきた沖縄は、
平和を求めるこころと
独特の文化を発信することにしました。
藤沢で何を見てもらうのか、
わたし個人は、湘南海岸を望む緑豊かな住環境を
見てもらいたいと思っています。
松林がある住宅街を江ノ電の列車が通り抜け、
太陽が輝く海岸線が、ぱっと開けていく風景です。
アメリカのデンバー市など各国が
辻堂のスマートシティに注目しています。
再生エネルギーを活用する環境にやさしい
藤沢の姿も売り物です。
観光にはこうした視点を欠かさないようお願いいたします。
▲今回の決算を見てみますと
藤沢市の場合、
市債残高は、703億円で徐々に減少しています。
財政は健全ですが、
自主財源は3年ぶりに1000億円を下回りました。
藤沢市の人口も2030年をピークになると推定されています。
公共を大切にしつつ、
これまで以上の選択と集中を迫られています。
労働会館や各市民センターなど
老朽化した公共施設の複合化を強く支持します。
一方、南部や大庭地区で空き家が増える中、
いずみ野線の延伸や村岡新駅の建設に伴う
新しい街を作っている余裕はないはずです。
今こそしっかりと足元を固めるべきです。
今回の議会は、一人ひとりの議員が
判断を迫られました。
元職員による給食費の着服です。
対案がない中、法律に基づいて
食材業者への支払いのため
6400万円の税金を投入することになりました。
そのほか不正が相次いだわけです。
わたしは地方勤務で、
財政規模が小さく、毎日のやりくりに苦労する自治体を見てきました。
中には仕方なく合併を選んだ市町村もあります。
これに対して藤沢市はとりあえず
健全財政を維持しているから大丈夫だという
気の緩みはないでしょうか。
再発防止に向けては外部の評価が重要です。
そして積極的な情報公開が鍵となります。
藤沢の街は、
輝く太陽の元、青空が広がり、
江の島がある海が広がっています。
藤沢は、「開放的」、「開かれている」という言葉が
一番似合う街でなければなりません。
そこでは障害のあるなしにかかわらず、
肌の色にかかわらず、言語文化にかかわらず、
男女や年齢にかかわらず、
だれもが排除されず、
共に生きる社会でなければなりません。
小学校を4回変わり、
「転校生」とあだ名された自分も
藤沢の街に受け入れられ、
今ここに立っています。
理想の街を作るため
共に力を合わせていくことを宣言し、
民主クラブの討論を終わります。

 

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藤沢市議会議員 清水竜太郎
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