元藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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新型コロナ 藤沢市の検証は

藤沢市は、特別委員会の中で新型コロナへの対応に関する検証結果を発表しました。第6波に備えた保健所の体制を強化するため、一週間の新規感染が750人を超えた場合は、一日当たりの応援を20人に増やすと定めています。

藤沢市では、今年度から組織を改正し、保健所の体制を増強しました。しかし夏の第5波によって、本庁からの応援を再び受ける事態になりました。専従の職員が6人いるほか、輪番制で対応する90人の職員の応援体制です。

感染状況によって、一日当たりの応援は5人から15人の間で調整していたということです。カギとなる保健師については、各部署でも必要なことから、すぐ保健所への応援に回ることは難しく、保健師でなくてもできる業務については事務職員を増やして対応したとしています。

第5波への対応については、感染源の特定が難しい「市中感染」の段階だったため、積極的疫学調査を縮小し、濃厚接触者への検査は、同居家族のうち症状がある人や基礎疾患のある人などに絞ったとしています。

また自宅療養の患者に対しては、ラインによる報告および、リスクが高い場合は看護師などによる観察を行いました。ただ若い患者などとの連絡が取れないケースが多く、ほぼ毎日、職員が自宅を訪問していたとしています。

検査については、保健所だけでなく医師が必要だと判断した場合も受けられ、保健所の負担が減ったと答えています。契約によって現在、検査ができる医療機関は171機関に増えています。第5波のとき、一日当たり700件の検査を実施できるようになり、ひと月の検査数は過去最大の1万2000件に上ったそうです。検査ができる医療機関が増えたことから検査能力は、さらに数百件上乗せされたとしています。

今後の予防的な大規模検査については、効果を出すには継続的な実施が必要であり、困難だと答えています。ただ先月、政府が感染拡大する傾向にあるときは、無症状であっても都道府県の判断で無料で検査できる方向性を打ち出していることから動向を注視しているとしています。

肝心の神奈川県の医療提供体制については、最大確保病床が2000床となっていますが、10万人当たりでは21.7床です。埼玉県や千葉県とほぼ同じですが、東京都の半分以下です。ただ藤沢市は、救命を優先した神奈川モデルでの対応は適切だったとした上で、「神奈川モデルで対応できない事項が発生した場合は、独自の対応についても検討する」としています。具体的な中身については、いまのところ自宅療養者への支援にとどまっています。

医療体制

3回目のワクチン接種と確保病床のフェーズ

新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」への懸念も広がる中、藤沢市は、3回目のワクチン接種を始めます。対象となるのは、2回目の接種を終えた18歳以上の方で、2回目から8か月が経っていることが必要です。2回の接種を受けた人数は、先月までで32万5000人に上ります。

使うワクチンは現在のところ、追加接種の薬事承認が出ているファイザー社製となります。接種をするにはクーポン券が必要で、2回目を終えた順で届けられます。

順番としては、今月から来年1月までは、医療従事者で、1万人余りです。一般市民については、2月から7月となります。これまでのように個別接種と集団接種の両方で行ないたい考えで、割合は半々だとしています。

個別接種については、予約が取りにくかった反省から、医療機関での予約だけでなく、コールセンターでの電話およびネットでの予約についても検討します。集団接種は、週4回を予定していて、会場としては市役所をはじめ、旧南市民図書館や秋葉台文化体育館、それに民間の施設を検討しています。接種日を藤沢市から指定する方法は、考えていないということです。

また対象が5歳以上に引き下げられた場合については、接種は強制するものではなく、丁寧で正しい情報の提供に努めるとしています。

藤沢市の発表によりますとこれまでの新規感染は、7000人を超えています。第5波とされる8月が2727人でしたが、9月が826人、10月が70人、そして先月が18人と急減しています。30%近かった神奈川県の平均陽性率も、10月下旬以降、1%を切っています。

ただ気温が低く、乾燥する冬を迎え、第6波への備えが重要です。政府の素早い水際対策の強化はもちろん医療提供体制の強化が欠かせません。

政府は、第6波に備えてこの夏より3割多い患者が入院できる体制をつくることや、医療機関ごとの病床の確保状況や使用率をITを使って公表するよう求めています。神奈川県も新規感染の状況に応じた確保病床のフェーズを見直しています。

▲「フェーズ0」は、感染がない状況で、確保病床は120床、そのうち重症向けは20床、▲「フェーズ1」はいまの状況で、確保病床は1000床、重症向けは100床、▲警戒を強化すべきレベルの「フェーズ2・3」は、確保病床が1300床から1700床、重症向けは130床から160床です。一般医療や新型コロナへの負荷が生じているが、病床の拡大で医療提供は可能としています。まん延防止等重点措置の段階としています。

▲「フェーズ4」は、一般医療を相当制限しなければ新型コロナへの対応ができず、医療が必要な人へ対応ができなくなるレベルです。最大確保病床が2100床で、重症向けが210床です。緊急事態宣言の段階で、一般医療の延期も想定されます。このレベルでは、さらに▲「災害特別フェーズ」が設けられ、重症向けの60床を含む全体の病床をさらに400床増やすこともあるとしています。

神奈川県の最大確保病床は、去年の冬の経験から各医療機関と個別に協定を結ぶことで、重症向けの190床を含む1555床となりました。4月からはさらに重症向けの199床を含めた1790床となりました。しかし、夏の感染急増で体制はひっ迫し、神奈川県は医師が延期できると判断した入院や手術を一時停止してもらうことで、2000床を超える体制で対応しました。ただそれでも病床は足りず、入院を断れるケースや自宅療養を余儀なくされるケースが相次ぎました。

神奈川県は現在、感染状況が落ち着いているにもかかわらず、「フェーズ4」の体制を維持しています。ワクチンの接種率も8割以上であることを考えれば、重症化のリスクは抑えられるのではないかと期待します。その一方で海外と比べて感染が少なく、病床も多いのにコロナ専用の病床が足りず、適切な治療が行き渡らなかった日本の状況を今こそ改善しなければならないと思います。

第6波のみならず新たな感染症対策としても医療提供体制の根本的な見直しは必要です。医療機関に対して知事が必要に応じて患者の受け入れを命令できる法改正を主張する意見もあります。法改正が最適なのか分かりませんが、何か具体的な対策を講じない限り、体制の増強が厳しいのは明白です。

コロナ危機では地方政治に焦点が当たりましたが、いまの都道府県体制が適切なのかも再考すべきだと感じます。巨大な政令指定都市、横浜と川崎を抱える神奈川県はなおさらです。いわゆる神奈川モデルは評価すべきですが、「2次医療圏」ごとに医師や病床を確保するなどもっと市町村が指導力を発揮すべきなのではないかと考えます。

ワクチン接種

池袋駅前の「広場化」に向けた動き

わたしは、藤沢駅南口に大規模な公園広場をつくるよう提案しています。これまで駅前は、クルマに独占されてきましたが、これを人や環境を優先する空間へと変えるときだと思っています。

文化芸術都市をめざす豊島区は、4つの公園を核とした池袋のまちづくりに取り組んでいますが、さらなる高みをめざしています。

豊島区は、「都市づくりビジョン」の中で、「副都心の顔となる池袋駅および駅周辺の再生」に取り組むとして、「駅前広場の歩行者空間の拡大や駅から連続する人優先の歩行者空間を整備する」としています。その上で、バスやタクシーの配置を見直し、中心部へのクルマの進入を抑えるとしています。

駅周辺の再生に関する有識者らの委員会は、「基盤整備方針」の中で中長期的にめざす事業を定めています。例えば東口については、西武百貨店などが入る駅ビル前を南北に走る「明治通り」の車線を減らすとしています。そしてバスやタクシーを集約化することで歩行者空間を拡大するほか、駅前から東に延びる「グリーン大通り」の一部を広場化するとしています。

去年、委員会の検討部会がまとめた「交通戦略」は、さらに踏み込んで、戦略の目標の中に「明治通り」の遮断が入っています。遮断による交通の流れを確保する代替策として、一本東側を走る「旧三越裏通り」などを活用するとしています。

大胆な目標だけに課題は多いようですが、戦略からはこれまでの駅前のあり方を変えたいという思いが伝わってきます。歩道の幅が10メートルある緑豊かな「グリーン大通り」は、国家戦略道路として、マルシェなどの活動が盛んです。しかし、「グリーン大通り」を通る歩行者は少なく、もったいない状況です。

「明治通り」を遮断することで駅から直接、「グリーン大通り」を結んで広場にすれば、どこの駅を降りても同じと指摘される、これまでの駅前の風景が一変するに違いありません。イメージ図では、人々が悠々と行き来する広場の姿が描かれています。

駅前が変われば、まち全体も変わります。目標が達成されれば、乗り換えを除いた池袋駅の乗降客や主要道路の歩行者数、さらに売り場面積当たりの小売販売額も増える見込みです。

池袋駅前

池袋駅前

「公園」を中心とした池袋のまちづくり

東京の池袋は、いま都市計画によって街の風景が変わり始めています。池袋がある豊島区は、かつて有識者などでつくる民間の機関から「消滅可能性都市」のひとつに数えられました。「消滅可能性都市」とは、2040年までに若年女性の人口が5割以下に減る可能性がある自治体とされています。

そこで豊島区が取り組んだ施策の一つが、公園を中心としたまちづくりです。公園がまちを変える政策は、まさに藤沢市に打ってつけだと思います。わたしが提案してる藤沢駅南口に芝生が広がる大規模な公園広場をつくれば、まちの再活性化につながると確信しています。

「南池袋公園」
池袋のイメージを一新させたとして名高いのが、「南池袋公園」です。かつては薄暗くて近寄りにくい公園だったそうです。これが5年前、一面を芝生に覆われた開放的な公園に生まれ変わりました。わたしが、公園広場の模範としているニューヨーク市の「ブライアントパーク」がまさに日本にあったという思いです。

池袋駅からも歩いて5分少しの距離で、ビルに囲まれた都会のオアシスのような存在です。民間との連携でカフェレストランも併設されていて、親子連れが訪れる人気の場所となっています。

「イケサンパーク」
去年、新しくできた公園が、東口の名所である「サンシャインシティ」のさらに東側に位置する「イケサンパーク」です。ここは、もともと造幣局があった場所で、面積は1万7000平方メートルと広大で、備蓄倉庫や非常用トイレなどがある防災公園ともなっています。

いざというときはヘリポートとなり、物資の集積場となります。ここも一面が芝生に覆われていて、週末は、農家が出店するファーマーズマーケットが開かれます。隣が東京国際大学のキャンパスが建設中で、周辺には、新しいタワーマンションが目立ちます。こうした広々した公園がそばにあれば、都会の中でも過ごしやすいのではないかと感じます。

「中池袋公園」
マンションなど複合施設として建てられた区役所が有名ですが、もともと区役所があった土地を活かして誕生したのが、「ハレザ池袋」と呼ばれる一帯です。中心になるのが、生まれ変わった「中池袋公園」です。

周りを区立芸術文化劇場「東京建物ブリラホール」や東宝系の映画館、そして区民センターが集結しています。「8つの劇場」はまさに「国際アートカルチャー都市」を掲げる豊島区の文化芸術行政をけん引する拠点です。

「池袋西口公園」
文化芸術を進めるもう一つの拠点が西口の駅前にもあります。中心が「池袋西口公園」です。公園内には野外ステージがあって、この日はジャズの生演奏が開かれていました。

隣には、東京都の文化財団が運営する「東京芸術劇場」があります。クラシック音楽専用の大ホールなどが設けられています。小説やドラマで描かれたかつての物騒なイメージは、過去のものになっています。

豊島区は、これら4つの公園を核に新しいまちづくりを進めています。IKEBUS(イケバス)と呼ばれる赤い小型の電気バスが、4つの公園や主要施設をゆっくり巡り、人々の交流と賑わい創出に一役買っています。

南池袋公園

南池袋公園

イケサンパーク

イケサンパーク

中池袋公園

中池袋公園

池袋西口公園

入浴等の助成事業見直しへ

藤沢市は、お年寄りの健康増進を目的に補助してきた入浴への助成事業などを見直します。

見直しになるのは、70歳以上の市民を対象に1万2000円を上限として助成が受けられる「高齢者いきいき交流事業」です。この事業では、公衆浴場や老人福祉センターにある入浴施設を利用できるほか、はり・きゅう・マッサージの治療院や、公設のスポーツ施設などが利用できるものです。

この事業については、議会でも目的があいまいだとして見直しを求める意見も出ていて、行政改革の対象とされてきました。コロナ危機前の助成券の対象者に対する交付率は58%で、そのうち利用率は24%と低い状態です。その一方で予算規模は1億6000万円で、対象者が増える中、財政負担が課題となっていました。

見直しの結果、藤沢市は、いまの形の事業を廃止した上で、利用割合が比較的高い、はり・きゅう・マッサージ治療については新しい事業を設けるとしています。そして入浴については、浴場組合に対する助成事業である「ふれあい入浴事業」と統合した上で拡充するとしています。

わたしもこれらの事業については、目的が明確でないと感じており、健康増進や外出促進が目的ならば、交通への割引パスや乗り合いタクシーの方が幅広く使え、まだよいのではないかと考えます。入浴施設も民間にあるのだから活用しない手はありません。

老人福祉センター「いきいきシニアセンター」は市内に3カ所あります。建物の維持管理に巨額の費用がかかっているほか、業務委託や送迎バスの費用もかかっています。

全国的には、老人福祉センターのあり方を問い直す動きも出ていて、横須賀市のようにセンター内にある入浴施設を廃止する自治体も出てきています。入浴は、一番人気だけに反対の声も多かったようですが、コロナ危機で室内での活動が制限されただけに感染症対策の視点も必要になっています。

入浴

藤沢市議会議員 清水竜太郎
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