東京の池袋は、いま都市計画によって街の風景が変わり始めています。池袋がある豊島区は、かつて有識者などでつくる民間の機関から「消滅可能性都市」のひとつに数えられました。「消滅可能性都市」とは、2040年までに若年女性の人口が5割以下に減る可能性がある自治体とされています。
そこで豊島区が取り組んだ施策の一つが、公園を中心としたまちづくりです。公園がまちを変える政策は、まさに藤沢市に打ってつけだと思います。わたしが提案してる藤沢駅南口に芝生が広がる大規模な公園広場をつくれば、まちの再活性化につながると確信しています。
「南池袋公園」
池袋のイメージを一新させたとして名高いのが、「南池袋公園」です。かつては薄暗くて近寄りにくい公園だったそうです。これが5年前、一面を芝生に覆われた開放的な公園に生まれ変わりました。わたしが、公園広場の模範としているニューヨーク市の「ブライアントパーク」がまさに日本にあったという思いです。
池袋駅からも歩いて5分少しの距離で、ビルに囲まれた都会のオアシスのような存在です。民間との連携でカフェレストランも併設されていて、親子連れが訪れる人気の場所となっています。
「イケサンパーク」
去年、新しくできた公園が、東口の名所である「サンシャインシティ」のさらに東側に位置する「イケサンパーク」です。ここは、もともと造幣局があった場所で、面積は1万7000平方メートルと広大で、備蓄倉庫や非常用トイレなどがある防災公園ともなっています。
いざというときはヘリポートとなり、物資の集積場となります。ここも一面が芝生に覆われていて、週末は、農家が出店するファーマーズマーケットが開かれます。隣が東京国際大学のキャンパスが建設中で、周辺には、新しいタワーマンションが目立ちます。こうした広々した公園がそばにあれば、都会の中でも過ごしやすいのではないかと感じます。
「中池袋公園」
マンションなど複合施設として建てられた区役所が有名ですが、もともと区役所があった土地を活かして誕生したのが、「ハレザ池袋」と呼ばれる一帯です。中心になるのが、生まれ変わった「中池袋公園」です。
周りを区立芸術文化劇場「東京建物ブリラホール」や東宝系の映画館、そして区民センターが集結しています。「8つの劇場」はまさに「国際アートカルチャー都市」を掲げる豊島区の文化芸術行政をけん引する拠点です。
「池袋西口公園」
文化芸術を進めるもう一つの拠点が西口の駅前にもあります。中心が「池袋西口公園」です。公園内には野外ステージがあって、この日はジャズの生演奏が開かれていました。
隣には、東京都の文化財団が運営する「東京芸術劇場」があります。クラシック音楽専用の大ホールなどが設けられています。小説やドラマで描かれたかつての物騒なイメージは、過去のものになっています。
豊島区は、これら4つの公園を核に新しいまちづくりを進めています。IKEBUS(イケバス)と呼ばれる赤い小型の電気バスが、4つの公園や主要施設をゆっくり巡り、人々の交流と賑わい創出に一役買っています。