関西随一と言われる住宅街を抱える兵庫県芦屋市を視察してきました。なぜなら、芦屋市が、全国で最も厳しいと言われる屋外広告物への規制条例を策定したからです。
条例では、▲一番目立つ屋上の広告物を禁止したほか、▲側面に飛び出している看板の面積を1平方メートル以下に制限しています。また、▲文字の大きさも抑えるほか、▲色も周りとの調和を図らなければならず、蛍光色は使えません。こうした規制は、古都、京都市の条例を上回るものとして、注目されています。
都市計画課によりますと阪神大震災以降、開発が相次ぎ、それまでの住宅都市としての街並みが失われてきたということです。特に紳士服を展開する大手チェーンが、芦屋市の意向に反した看板を設置したことが、市民の規制強化を望む声につながったとしています。そして、現市長が住宅都市として生き残る方針を明確にした上で、それには美しい街並みが欠かせないとして、強い指導力を発揮しました。
先月から施行となった条例に照らしますと、4割の広告物が違反していることになります。違反すると罰金が課せられますが、いまある広告物を直すには、最大で10年の猶予が与えられています。さらに注目は、撤去費用として、最大で100万円の補助が受けられることです。補助の規模としては、破格とも言え、芦屋市の本気度が伝わってきます。