首里城の正殿などが全焼し、悲しい気持ちです。
沖縄に勤務していたとき、本土から来た友人知人を必ず連れて行きました。
首里城にはさまざまな見どころがありますが、屋根を彩る赤瓦もそのひとつです。赤瓦があってこそ、首里城は、那覇の街に映えるのです。
この赤瓦を唯一つくれる職人の方を取材し、リポートを放送しました。赤瓦には、クチャと呼ばれる独特の土が使われています。職人の方が、自分が納得できる色が出るまで、何枚も何枚も赤瓦を焼き上げていた姿を思い出します。
ニュースでも伝えられている通り、首里城は、沖縄戦で、旧日本軍の司令部が置かれたことから攻撃され、消失した歴史があります。
首里城は、1992年に復元されたものです。首里城は世界遺産に登録されていますが、復元された建物自体はあくまで対象外です。
それでもわたしは、復元された首里城にこそ、価値があったと思っています。なぜなら県民の願いを受けて、戦争の灰の中から甦った城(ぐすく)だからです。だからなおさら残念です。
首里城は、本土の城と性格が異なります。戦争ではなく、外交に重きが置かれた作りです。中国からの使者を迎えた広場、御庭(うなー)が中心にあるのが象徴的です。
県民の心の支えでもある首里城という「文化」があることは、とてもうらやましいことでもあります。藤沢市の「文化」とは何なのか、考えさせられます。
緑や海など自然と調和した街並み・環境住宅都市としての特徴こそ、藤沢が守り、発展すべき文化なのではないかと考えます。貴重な文化を失なう前に政策を打たなければなりません。