久しぶりに小田原市を訪れました。小田原駅東口の駅前が大きく変わっていたので驚きました。城下町としての特徴を生かした再整備が着々と進んでいたからです。
おととし東口の小田原城寄りに完成した商業複合施設「ミナカ小田原」は、地元で温泉などを営む万葉倶楽部がつくったもので、近代的なタワー棟の前に城下町をイメージした店舗が立ち並ぶつくりになっています。タワー棟部分には、ホテルやコンベンションホールのほか、小田原市の図書館や子育て支援センター、ハローワークなどが入っています。
東口駅前の進化の口火を切ったのは、駅ビルの向かいに位置する商業ビル「トザンイースト」が7年前に開業したことです。これは箱根登山鉄道がつくったもので、飲食店が入っています。4階建てのビルは、「ミナカ小田原」と同じく、城下町を意識して茶色に統一されていて、瓦屋根が特徴的です。
東口周辺を歩いてみても、商店街の屋根の軒には北条氏などの家紋が入っていたり、単独のお店でも城下町風のつくりにしたり、コンビニエンスストアも茶色に配色したり工夫を重ねていました。また市の駐車場もお城をイメージしたつくりになるなど官民が連携して個性的なまちづくりを進めています。
藤沢市は城下町のような古い歴史はありませんが、海と緑と青い空が都市とうまく調和したまちとしてのブランド力があります。わたしが提案している南口駅前の大規模な公園広場をはじめ、まちの価値を打ち出した駅前の再整備が重要です。そしてそれには民間の協力が欠かせないことを小田原市の例が教えてくれています。
