学生時代、著名コンサルタント、大前研一氏が提案する国のあるべき形に刺激を受けました。地方分権や生活者主権の考え方は、時代が進むに従って支持を得てきています。
いまだに実現しないのが道州制の提案です。道州制の導入によって、東京に頼ることなく地方の産業強化を図ろうという政策は、画期的でした。
大前氏は、日本の政治家の政策立案能力が低いのは、欧米のようなシンクタンクがないからだとして独自の政策集団をつくりました。賛同者を募り、わたしも学生会員になりました。
与野党を問わず、賛同する候補を選挙で推薦するなど、政策中心の政治の実現をめざしました。
試みは成功したとは言えませんが、自治の形はどうあるべきかはわたしの課題の一つとなりました。静岡に赴任した時、静岡市と旧清水市の合併問題を取材する機会に恵まれ、自治の形が変わるのを実体験しました。
大阪で自治の形が変わる可能性があります。大阪市を廃止し、4つの特別区に再編する「大阪都構想」をめぐる住民投票です。
大型開発や観光政策、水道などいわゆる二重行政を解消するとともに大阪を東京と並ぶいわゆる副首都にしようという試みです。
賛否は伯仲しているようですが、地方みずからが、大きな改革を実現しようとする姿をうらやましく感じます。そして藤沢市で自分の政策を実現させたいという思いを新たにしています。
来月の住民投票は、アメリカの大統領選挙の陰に隠れている感がありますが、注目です。賛成多数となれば、その影響力は計り知れません。
最強の政令指定都市・横浜市を抱える神奈川県も他人ごとではないはずです。道州制への議論も一歩進むかもしれません。