藤沢市内にある三大谷戸など大規模な緑地を守ることも大切ですが、自然を大切にする住宅都市としての評価を高めるには、町の中に緑や公園を増やすことが大切だと考えています。
住宅街にある緑地も、開発によって少なくなっています。最近では、鵠沼橘にある緑地が、開発となり、残りの緑地も今、危機にあります。
鵠沼松が岡と片瀬山にある緑地を守った住民運動にヒントがないか、探りました。
松が岡の緑地は、鵠洋小学校にほど近い、黒松も生い茂る小高い丘です、開発の話が持ち上がり、周りの住民が団結して、土地の所有者や藤沢市に掛け合いました。そして大学教授などからの助言を仰ぎ、緑地の価値を確認する一方、署名活動を開始、2500人分の賛同を得ました。住民の有志が中心だったため、のぼり旗を立てるなど、対立を煽るような方法は取らなかったということです。粘り強い運動の結果、藤沢市による買い上げにこぎ着けました。
もう一つの片瀬山の緑地は、弘法大師が修行したとされる岩屋不動の近くにあり、この斜面に大規模なマンションを建設する計画でした。片瀬山は、閑静な住宅街を守るため、厳しい独自ルールがあります。周辺の住民だけでなく、片瀬山全体の自治会が、協力して反対する一大運動となりました。もともと藤沢市が基本計画で、「保存すべきまとまりのある緑地」に指定していたこともあり、藤沢市が買い取る結果となりました。
簡単に住民運動と言いますが、それにかかる労力は大変なものです。二つの緑地は、住民グループらの手で大切に管理されています。