新型コロナウイルスの感染者が自宅で療養するケースが増えており、健康観察のあり方が問題になっています。これについて藤沢市は、「安否確認は、神奈川県が1日に2回、LINEや電話で確認している。連絡が取れない場合は、地域の保健所が自宅を訪ねて確認している」と述べました。
これは災害対策等特別委員会で市側が答えたものです。藤沢市はまた、最初は軽症だったのに重症化する場合や逆もあるとした上で、死亡した12人のうち、3名は無症状だったのに急変したことを明らかにしました。
病院の効率的な運用を図るため、県は、項目ごとに点数をつけて、入院すべきか判断する手法を取り入れています。
これについて藤沢市は、「何がハイリスクなのかが分かってきており、より客観的に判断できるのが点数付けだ。年齢や基礎疾患、肺炎、家庭状況、そして医師の判断が目安となっている。ただ個人差もあるし、具合が悪くなる人もいるので、健康観察というセーフティネットで救い上げたい」と強調しました。
県はまた、感染者の急増による保健所の負担を減らすため、一般の感染者については「積極的疫学調査」を取りやめましたが、藤沢市は、「調査の簡略化や縮小ではない。聞き取りは全員に行なっている」と指摘しました。
濃厚接触者が特定されない会社などでは、自前で検査を行なう動きが出ていますが、藤沢市は「無症状の方々に検査はしない。補助は考えていない」と答えました。
感染が急拡大する中、藤沢市は、今週、保健所への職員の応援を発表しました。これまでの保健師の派遣だけでなく、1日当たり10名の職員を各部局から派遣するものです。事務処理をはじめ、検査の補助や会場の設営などを担当します。
県はさらに病院がひっ迫していることから、認定医療機関となっている大きい病院だけでなく、中小の病院も患者を受け入れるよう求めています。
これについて藤沢市は、先週、医師会と意見交換を行なったとした上で、「医師会への協力依頼に対して努力したいということだった。受け入れ病床の確保は県が考えている」と述べました。
藤沢市はまた、15日にワクチン接種に向け、保健所の中に専門担当を設けました。専従の職員15人を含めた19人の体制です。3月下旬から高齢者向けの優先接種が計画されています。
いかに会場や医師を確保するか、いかにワクチンを無駄なく使えるかなど課題が山積みです。
感染の急拡大を抑えるには、やはり注意喚起が重要です。防災無線の活用について藤沢市は、「賛否両方ある。感染対策について理解も進んでいるし、全面的に活動が制限されているわけではない。拡大が強まった場合、対策を訴えていく」と述べるにとどまりました。
わたしは委員ではありませんが、藤沢市は、せっかく保健所政令市なのに、積極的な政策が見えず、もったいなく感じています。
保健所の業務がひっ迫した今となって、体制を強化するのは遅きに失したとしか言いようがありません。体制が強化される前に、例えば調査が「縮小」されるのは本末転倒のように感じます。
医療体制については、中小の病院が、急性期の患者を受け入れるのは現実的ではないと思います。回復期の患者に限って、受け入れてもらえるよう依頼するべきだと思います。
去年の11月から感染が拡大していて、年末年始のさらなる拡大は想定できたはずです。市役所としての危機意識が足りないことにがく然とします。
市役所の玄関には、感染への注意喚起を呼びかける張り紙さえありません。緊急事態宣言が出ている中、市役所から緊張感が伝わらないのに市民が行動を変えるはずがありません。市役所全体で感染を減らすんだという意気込みが藤沢市には必要です。