元藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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AEDの設置場所を確認しましょう

韓国ソウルの繁華街で大勢の若者たちが密集し、156人がなくなる事故が起こりました。群衆に巻き込まれて逃げられず胸を圧迫して死亡したのではないかと報道されています。

心停止したときの救命措置に欠かせないのが心肺蘇生です。心臓マッサージ・胸骨圧迫と電気ショックを与えるAEDが必要です。AEDは心臓のリズムを調べ、電気ショックが必要か判断します。心臓がリズムを失ったままだと血液を正常に送り出せません。このため、電気ショックを与えることで正しいリズムを取り戻すことが必要になります。「除細動」と呼ばれる一連の措置を2分から3分以内に行なえば、助かる可能性が非常に高くなります。

AEDについては、公共施設だけでなく、医療機関や商業施設への配備が大きく進みました。ここで重要なのはどこにAEDがあるのか事前に把握しておくことです。

藤沢市消防局もAEDの設置場所が示されている「AEDマップ」をネット上で公表しています。マップは定期的に更新していますが、現状と異なる場合もあるので、できれば本当にそこにあるか確認しつつ、マップを有効利用することが大事だと思います。

消防によりますとAEDの設置場所には二種類あります。一つ目は、「救急セーフティーステーション表彰」を受けたところで、市内には190施設あります。これはAEDが一台以上あり、その従事者の20%が救命講習を受けているなど救命活動に積極的な事業者です。二つ目は、それ以外の施設で、市内には499施設あります。

AEDが必ず設置されているのが公立の小中学校と各公民館です。マップを見るとやはり設置が多いのは駅周辺の中心街です。▲藤沢駅周辺では駅をはじめ、市役所や市民会館など公共施設、小田急やさいか屋など大型の商業施設です。▲辻堂駅周辺では駅をはじめ、テラスモールなど、▲湘南台駅周辺では駅をはじめ、湘南台文化センターやダイエーなどです。

ホテルやスーパー、銀行、それにコンビニエンスストアはAEDがある印象がありますが、必ずあるわけではありません。

もうひとつ課題なのが住宅街です。中心街と比べると住宅街にあるAEDは一挙に少なくなります。学校のほかは一部のクリニックや保育施設に限られます。またほとんどの駅には設置されていますが、私鉄の一部の駅にはなかったりします。

設置には義務がないため、消防では設置に向けて事業者への働きかけを強めています。コンビニエンスストアも直営店は設置が進んでいますが、フランチャイズはなかなか進まない現状があるということです。

NHKの報道によりますと学校や図書館など管理が行き届いて確実に使えるAEDについて、使える時間帯を調べたところ、84%が夜間や休日など使えない時間帯があったとしています。場所が分かっていてもいつでも使えるかどうかわからないわけです。

消防でもこの点を問題視していて、いつでも使えるよう改善していますが、屋外に設置し直すのはAEDの機器を更新するときになってしまうほか、雨風に耐えられるような適切な場所を探すのに一苦労するそうです。

AEDがあれば、まず電源を入れます。そうすると自動的にメッセージが流れますので、それに従って2つの電極パッドを身体につけたりします。電気ショックが必要となれば、音声に従ってボタンを押すだけです。わたしも二回、救命講習を受けていますが、どうしても忘れてしまうので自習します。

正常な呼吸がない場合はただちに心臓マッサージです。強く、早く、絶え間なく行ないつつ、気道を確保して人工呼吸も加えます。救急車とAEDの手配は何よりも先にやるべき事で、周りの人が率先して取りに行くことが大切です。

AED設置

歩道化を進める大阪の取り組み

大阪の中心街を通るメインストリート・御堂筋では歩道の幅を広げる取り組みがはじまっています。このたび視察した中之島にある図書館前の車道も歩道に変わるなどこれまでの道路の概念が変わりつつあります。

御堂筋は梅田と難波を南北につなぐ4キロの道路で、イチョウ並木やオフィスビルに囲まれています。一部の道路は、歩道を広げて車線を減らしているほか、側道を通行止めにして車の流れをみる社会実験が行われています。交通量が減っているためで、2037年をめどに御堂筋を全面的に歩道にする構想を実現したい考えです。

視察した大阪市の図書館「こども本の森・中之島」が位置する中之島でも同じような取り組みが進んでいます。図書館の前には抜け道にもなっていた道路がありましたが、文化施設が集まる中之島は歩行者や自転車利用が多いこともあり、この道路は閉鎖され、歩道に変わりました。歩道化によって中之島は公園として、子どもも安心して歩ける大都会の貴重な空間になっていると感じました。

わたしは藤沢駅の南口に大規模な公園広場をつくりたいと提案してきました。最低限の車道は確保しつつ、駅前を車が優先される空間から、人や自然が優先される空間に変えたいのです。

去年12議会の一般質問では、2回目となる提案を行ないましたが、そのときは池袋駅前を大きく変えようという豊島区の取り組みを取り上げました。有識者などつくる委員会は、東口を南北に走る明治通りの車線を減らすほか、駅前から東にまっすぐ延びるグリーン大通りの一部を広場化する方針を示しているのです。

さきの交通量の調査でも人口が増えている藤沢市でさえ、初めて交通量が減っていることが、明らかになりました。藤沢市もほかの先進自治体に負けずに、将来はどうなるのか、どうあるべきなのか先取りして政策を進める必要があると思います。

歩道化

歩道化

歩道化

大阪市 名建築で読める子ども図書館

建設経済委員会の視察で大阪市を訪れ、世界的な建築家・安藤忠雄氏がつくった子ども向けの図書館を見学しました。

「こども本の森・中之島」は、おととし開館した図書館で、2本の川に囲まれている中之島に建てられました。中之島は、古くから大阪文化の中心地で、いまも市役所や中公会堂などが立ち並んでいます。図書館は3つのフロアで構成され、中は吹き抜けです。その中を階段や通路がつながれていて、迷路のような楽しさがあります。建物の壁は全面が本棚となっていて、本に囲まれたまさに森のような世界です。

この図書館は、安藤氏の提案から始まったもので、安藤氏が設計し、建設費を負担した上で大阪市に寄付したものです。安藤氏は、「これからの社会を担っていく子どもたちには、自由に世界に羽ばたいてほしい。幼いころから本を読んで豊かな感性と想像力を育んでほしい」と話しています。その上でネットにはない、自ら図書館に来て、たくさんの本の中から好きな本を選ぶ過程を経験することが重要だと指摘しています。

図書館は1万8000冊を所蔵していて、自然や日常生活、動物、未来など12のテーマに分かれて棚に並んでいます。生死に関する物語や絵本、詩も扱っていて、生きるのに前向きな一冊を選んでいます。またテーマごとに子どもが読めるやさしい本から、大人が読むような専門的な本まで用意されています。子どもを子ども扱いせず、興味関心をとことん伸ばしてもらおうという思いが感じ取れます。本棚の上の方にある本は下の方にも備えられていて、子どもたちは好きな本を手に取って、階段など好きなところで読むことができます。

子どものころ、よく図書館に行き、天文や歴史の本を読みました。母親も絵本の読み聞かせのボランティアをしていただけに図書館行政には強い関心があります。とくにわたしは、子どもが本を読む環境そのものが大事だと考えています。「こども本の森・中之島」のような一流の建築の中で本を読むことは、子どもに安心感を与えると同時に背筋が伸びる緊張感も与えます。そういう相反する感覚を磨けることが図書館の陰の役割なのではないかと思います。藤沢市には美術館も博物館もないのだから図書館には余計そういう役割が必要だと思います。

それにしても安藤氏が私財をはたいて、図書館を寄付する姿は見事としか言いようがありません。しかしそれだけにいい意味で注文も厳しいものが感じられます。安藤氏は、朝日新聞でのインタビューで「コロナ危機で日本には信頼できるリーダーがいないことが分かった。子どものころから知識を養い、自分で物事を判断し、日本や世界をつくってほしい」と寄付の理由を語っています。生ぬるい目的ではないのです。

今回の視察については、伊藤真由美館長をはじめ関係者のみなさまにお礼申し上げます。

こども本の森・中之島

こども本の森・中之島

こども本の森・中之島

こども本の森・中之島

奈良・天理市 独特な駅前広場の誕生

建設経済委員会の視察で奈良県天理市を訪れ、独特なデザインで知られる駅前広場について学びました。

この広場は、「コフフン」と呼ばれ、JR天理駅の目の前に広がる7000平方メートルを越える敷地に5年前オープンしました。それまではただ広い空間があるだけでしたが、芝生と円形の凹凸で作られた独特の建築物がある空間に変貌したのです。

白い建築物は主に4つあり、▲内側で子どもが渦巻き状の壁を走って遊べる施設や、▲内側で子どもがトランポリンのように跳ねて遊べる施設、▲階段の底でコンサートなどのイベントが開ける施設、そして▲中が飲食店などになっている屋根付きの施設です。

これらの建築物は、天理市に1600以上ある古墳をイメージして著名なデザイナー佐藤オオキ氏が考え出しました。天理市の歴史文化を踏まえて統一感がある遊び心あふれるデザインはまさに圧巻です。

駅前広場の開発は、閑散としていた駅前を賑わいのあり、子どもたちが遊べ、市民が活動を発表できる場所に変えるため計画されました。また近くにある商店街の活性化につなげる狙いもあります。

計画は土地をもつ天理市とJR、近鉄のほか、地元経済界や市民団体でつくる街づくり協議会で話し合われた上で、公募で選ばれた佐藤氏の案で進みました。そして木々を植えたり、バリアフリー化や授乳室を設けるなど市民の意見を取り入れながら合意形成を図ったということです。

総事業費は13億円になりましたが、例えばイベントの年間開催数はオープン当時の275件から、コロナ危機直前は530件に増えるなどまちの中心的な場所になりつつあります。この日も子どもたちが当たり前のように広場で遊んでいました。

わたしは藤沢駅南口にある空間を大規模な公園広場に変えたいと訴えています。車が優先される駅前から、人が優先される駅前へ変わるときです。駅前こそまちの玄関であり、顔です。駅前がどういう駅前かでそのまちが大事にしている価値観がわかると思います。天理市は歴史文化を大事にする価値観を斬新なデザインで見事に表現していると感じました。

実はわたし個人は、6年前、藤沢駅前広場の参考にするため、天理市を視察しています。そのときはまだ現場は建設工事中で、「コフフン」の全貌はまだ見れませんでした。しかし天理市の説明を受けて想像が広がりました。今回、出来上がった広場を見ることができて感無量の気持ちでした。藤沢市もこれ位、志が高く、大胆な構想力が必要だと実感しました。

視察に際し、天理市議会事務局および天理市市長公室のみなさまに改めてお礼申し上げます。

天理駅前広場

天理駅前広場

天理駅前広場

天理駅前広場

大阪・泉南市 民間が建設運営の海岸公園

建設経済委員会の視察で大阪府泉南市にある人工海岸を備える公園を訪れました。この公園は、泉南りんくう公園・通称「センナン・ロングパーク」で、海岸の長さは2キロあります。大阪市から車で1時間、和歌山市から30分弱で、人工島となっている関西空港のちょうど対岸に位置しています。

関西空港の対岸に位置する沿岸部は埋め立てられ、3自治体が絡む「りんくうタウン」として開発が進められています。橋で空港と結ばれている泉佐野市が先行していて、すでにホテルなどが入った超高層ビルやアウトレット施設、それにスケートリンクなどが整備されています。

泉南市は、空き地だったりんくう公園の土地を活用しようと民間の力を借りることにしました。海岸を活かした観光やスポーツなどの拠点にするのが目的で、周辺都市だけでなく、空港からの外国人観光客を呼び込み戦略です。泉南市では民間のノウハウを使うPFI事業として、事業者を公募し、大和ハウス系の会社が整備と運営を担当しています。

泉南市のケースが興味深いのは、土地を無償で貸し出している点です。公園の土地はもともと大阪府のものでしたが、泉南市が大阪府から無償で借り受けた上で、さらに会社に無償で貸し出しているのです。会社は公園を整備し、商業施設を建て、いまは運営を行なっています。施設の固定資産税と都市計画税が10年間なしですが、泉南市が負担する費用は一切派生しません。会社はテナントからの収入や公園施設の利用料金などから利益を出す仕組みです。

会社は海岸から眺める夕日を最大の売りにしていて、4つの機能にゾーン分けしています。▲アクティビティエリアは、マリンスポーツを楽しめるビーチのほかスケートボートやミニバスケができる施設や温泉があります。▲コミュニティエリアは、カフェや中華、イタリアン料理など6つの外食店が並んでいます。▲マルシェエリアは、文字通り地元の新鮮な魚を売る市場を開いています。▲グランピングエリアは、テントや食事などが整えられたキャンプ場で、コロナの影響で人気が高まっています。

オープンから2年となりますが、コロナ危機で夏の海水浴も中止となり、インバウンドもなくなったため、計画通りとはいきません。しかし年間で120万人から160万人が訪れています。

公共性への配慮もあってか、商業施設も思ったより控えめで、あくまで海岸が主役というつくりになっているなと感じました。ただ土地を無償で貸し出すことで、民間が費用負担なく建設運営してくれるモデルは凄いの一言です。

人工島の関西空港の対岸という構造は、江の島の対岸である片瀬と鵠沼の海岸に似ています。藤沢市も人気の水族館やスケートパークがありますが、有機的なつながりは余り感じられません。また夏の海水浴場をめぐっては一時のクラブ化はなくなりましたが、ファミリー層が来たいビーチをめざす近隣自治体とは趣が異なります。神奈川県が管轄する海岸公園を含めた海岸全体のあり方を見直して、ファミリー層主体のビーチに変わるときだと思います。

今回の視察に際し、泉南市議会事務局および泉南市の担当者のみなさまに改めてお礼申し上げます。

センナン・ロングパーク

センナン・ロングパーク

センナン・ロングパーク

藤沢市議会議員 清水竜太郎
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