フジサワ名店ビルは、藤沢駅南口では初めての商業ビルとして1965年にオープンしました。南北をつなぐ東海道線の踏切を地下道にするのに合わせて、この一帯を再開発したのです。多数のお店が立ち並んでいたため、多数の権利者が共同オーナーとして、最終的に3つのビルが建てられました。
名店ビルといえば、書店の有隣堂ではないでしょうか。開店時から名店ビルに入った有隣堂は、横浜だけでなく神奈川県の本屋に成長しました。名店ビルでの驚きは、かつて屋上に観覧車があったことです。観覧車がある屋上は子どもの遊び場として全国的に流行しましたが、次第に姿を消します。
隣のダイヤモンドビルは翌年にオープンしました。名前の由来となった旧三菱銀行を引き継いだ銀行も移転によって閉店しました。最後にオープンしたCDビル、通称ザ・プライムは、中華料理の銀座アスターのような老舗だけでなく、新しい飲食店が目立ちます。
三つのビルの最大の特徴が、ビルの中がつながっていることです。階段もばらばらで不便ではありますが、そこが迷路のような魅力を醸し出しています。地下の食品売り場も市場のように広く、市民に親しまれています。