藤沢市は、老朽化している現在の鵠沼市民センター公民館について、津波対策上、課題が多いことを明らかにしました。
鵠沼市民センター公民館は、もともと公民館として1981年に建てられ、20年前には新館が東側に作られました。建物は2階建てで、耐震補強も施されています。老朽化が激しいことから、藤沢市は建て替えを計画していて、来年度は住民との意見交換を行ない、再来年度には基本構想をつくります。その後、基本設計と実施設計を完了し、2027年度から工事に入りたい考えです。新しい施設は2029年度中のオープンを予定しています。
鵠沼市民センター公民館の場所は、津波が襲ってきたとき、基準水位が3.4メートルとされています。屋上の高さは8.2メートルで、面積は500平方メートル余りで、単純計算でおよそ920人が避難できます。ところが、屋上の耐えられる重量を考えるとおよそ270人が限度となります。藤沢市としては過剰な避難はリスクになりかねないと指摘しています。また防災拠点としての機能も消失してしまうとしています。
施設周辺の人口は、鵠沼海岸2丁目は1900人余りで、3丁目は1500人余りで、合わせると3500人です。藤沢市としては避難ビルの確保をしていて、2丁目の海側に5棟、2400人余り、3丁目の小田急線側に2棟、600人余りを収容できます。5丁目にも5棟、2500人余りを収容できますが少し距離があり、全体として余裕がある状態とは言えません。
郷土づくり推進会議が実施したアンケート調査によりますと建て替えに肯定的な意見は9割に上りました。望ましい施設として、津波対策を挙げたのが3割に達します。肯定的意見の中には、場所の移転を条件にしているものもあります。藤沢市の公民館と市民センターは、他の自治体に比べてかなり立派な点が課題でもありますが、鵠沼の場合は利用も活発で、津波対策の拠点にもなることからそれなりに充実した施設が求められます。