12月議会の一般質問では藤沢駅南口に大規模な公園広場をつくることを提案しました。しかし湘南らしい個性を感じられる場所を作り出すには、周りの商業施設を含めた一体的な街並みをつくることが欠かせません。
駅前が公共性の高い空間であることを考えれば、藤沢市が民間と連携し合って、こうした街並みをつくることが大切です。特にフジサワ名店ビルや隣り合う藤沢プライムの建物は、5年前の耐震診断で耐震性が十分ではないことが判っていますが、改修は努力義務です。所有者も多岐に渡っており、巨額の費用がかかるため、対策もままならない中、藤沢市が補助を出して建て替えを促すべきではないかと質問しました。
これに対して藤沢市は、「不特定多数の市民が利用する一部の民間のビルは、耐震性の不足により大規模な地震が起きた時には倒壊の危険性がある。このため藤沢市としても早期の建て替えなどが必要だと考えており、支援策について検討を進めているところだ」と答えました。
さらに駅周辺を2階部分でつないでいるデッキについては、藤沢市の所有するものと民間が所有するものが混在しています。しかしデッキ固有の耐震基準はなく、建設から40年以上経っているにもかかわらず、目視などの安全確認にとどまっていると聞いています。こうしたデッキについても早急な対応が必要であり、補助も必要なのではないかと指摘しました。
藤沢市は、「老朽化が課題となっているデッキについては建設当時のそれぞれの耐震基準に適合してつくられたものであり、最新の耐震基準には適合するものになっていない」と述べた上で、「このため平成30年度には、健全性の維持と利用者の安全性を確保するため、外装の塗り替えに合わせて、点検調査を行ない、必要な補修を順次行っている。大規模な地震が起きた時には、即倒壊する危険性は少ないものと考える」と答えました。また民間のデッキについては、「所有者側の責任において、維持管理がなされており、藤沢市の対応としては、目視による安全確認を行なっているところだ」としています。
名店ビルや隣り合うダイヤモンドビルと藤沢プライムが入るビルについては、一体的な複合ビルに建て替える計画が明らかになりました。すでに準備組合が説明会を開いていて、来年度中の都市計画決定を経て、2029年度中の完成をめざすということです。
名店ビルなどがつくる通称「391街区」は、建設されたおよそ50年前当時、3つの建物がつながり、真ん中に空間がある画期的な建築として注目されました。いまは昭和の雰囲気が漂っていますが、藤沢市民に愛され続けています。西武百貨店が退去した後のマンション建設のようなことを繰り返してはなりません。藤沢駅周辺を再活性化すべく、藤沢市こそが民間と手を取り合って湘南の玄関口にふさわしい風景を作り出す時です。