学生時代のゼミの仲間が社長を務めるベンチャー企業が、東京証券取引所の新興市場に株式を上場しました。免疫機能を高めることで、がんを治療する方法を開発しています。免疫機能を高める細胞は、がん細胞が持っているたんぱく質の一つ「ペプチド」を目印として、がん細胞を攻撃します。会社では、合成した「ペプチド」をワクチンとして患者に投与し、免疫細胞を増殖させることでがん細胞を消滅させようと取り組んでいます。社長は、上場企業にしか許されない鐘を思い切り鳴らしました。
アメリカでは志ある学生は、大手企業に就職せず、起業をめざすと言われます。アップル社のジョブズ前CEOしかり、ベンチャー企業が経済を強くしてきました。一方で競争の激しい世界です。恩師は、将来、ゼミの中から企業家が輩出されることを期待していました。こうした医療やバイオこそが、製造業に代わってこれからの経済をけん引していくに違いありません。