藤沢市内を走る民間のバスではお年寄り向けの割引制度を設けています。例えば3か月間で3000円のパスを購入すれば、一回ごとの乗車は100円で済みます。
ところが電車については、回数券という形での割引だけです。通勤客が減り、お年寄りが増えるこれからの時代、鉄道事業者にとっても経営面から、工夫が必要になります。定期券を失った退職者など、お年寄りの外出意欲をどう高めるか。いま「時間帯別料金制度」が注目されています。
これは乗客が多いピーク時の運賃を高く、少ないオフピーク時の運賃を低く設定するもので、アメリカ・ワシントンの地下鉄で導入されています。午前9時半から午後3時まではオフピークで、遠距離ほど割安となっています。
国土交通省としても、混雑解消の視点から注目していて、研究を重ねていますが、まだ業界の理解は進んでいません。こうした考え方は、航空業界などでは常識です。お年寄り向けの交通手段の確保として有効なのではないかと考えています。例えばローカル線である江ノ電から導入できれば、面白いと思います。