きょうは沖縄戦の組織的な戦闘が終わったとされる「慰霊の日」です。今年は、コロナ危機の中で「慰霊の日」を迎えます。
アメリカ軍が沖縄本島に上陸したのは、4月1日で、およそ3か月間にわたって戦闘が繰り広げられました。住民含めて20万人以上が犠牲になりました。本島の前は、慶良間諸島にもアメリカ軍が上陸しています。
今回のコロナ危機では、4月7日、7つの都府県に緊急事態宣言が出され、全国に拡大されました。この間、都道府県から外出の自粛や休業の要請が行なわれました。この時期は、ほぼ沖縄戦の時期と重なります。
国を挙げての新型コロナウイルスの感染防止は、「戦い」とも表現されました。外出もままならなず、「ステイホーム」している中、かつて聞いた沖縄戦の体験者たちの証言が自然と思い出されました。
敵が目の前で銃を構えている地上戦は、想像を絶します。
住民は、住処を追われ、「ガマ」に逃げ隠れする生活を余儀なくされました。集団自決の悲劇も起こります。
緊急事態宣言は、先月末解除されましたが、75年前の沖縄での戦闘はその後、1か月間も続いたのかと思うと、やり切れない気持ちになります。
沖縄には「命どぅ宝」という言葉があります。命より大切なものはないという意味です。戦争や災害と同じく感染症でも命について、そして国民の命を左右しかねない政治や指導者の役割について考えざるを得ません。