藤沢市は藤沢税務署前に広がるイチョウの街路樹を伐採することを明らかにしました。
伐採する理由について藤沢市は、西側を走る国道467号線の歩道部分を拡幅するためと説明しています。この歩道は幅が1.5メートルほどで狭く、かねてから広くするよう要望が上がっていたということです。幅を2.5メートルにするため、壁面後退・セットバックが必要となり、擁壁の上に立っている街路樹を撤去することになったとしています。
藤沢市は伐採する代わりに周りに植樹を行なうとしています。イチョウの伐採は来月から8月にかけて行う予定で、今年度下半期に神奈川県による歩道の拡幅工事が行われる計画です。歩道を広げつつ、イチョウを残せないのか聞いたところ、根が強く張っているため難しいということでした。また例え残せたとしても、擁壁自体に傾斜がつけられず、壁が直立する形となり費用もかかるということでした。
税務署前のイチョウは、市役所本庁舎につながる道路沿いにあり、市民にとってなじみ深い景色の一つとなっています。イチョウが植えられてから60年くらい経っていて、高さは15メートル前後に上ります、
イチョウの木は「生きた化石」と呼ばれ、長寿で知られます。オスとメスの木があり、雌花には種子である銀杏がつき、独特のにおいを出します。秋には葉が黄色くなり、鮮やかなイチョウ並木を形成します。成長が早く環境に強いことから街路樹に活用されてきたそうです。
現在、街路樹のあり方が全国的に問題となっています。東京の明治神宮外苑の再開発では900本の街路樹が伐採される計画です。今回の藤沢市の伐採は、理由がはっきりしているだけに仕方がないと思っています。
ただ市役所の周辺が余りにも緑が少なく、無味乾燥としているだけにさらなる植樹が必要だと思います。藤沢の価値の源泉たる海と緑と青空を守るため、街路樹の役割がどうあるべきか質していきます。