元藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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バイデン大統領が来ない?

アメリカのバイデン大統領が広島サミットに直接出席せず、オンラインで参加する可能性が出ています。債務の上限を引き上げる問題について議会の対立が続いているためで、バイデン大統領は「協議次第で遅れて行くか、バーチャルで参加するか、行かないかのどれかになるか可能性がある」と述べたのです。(10日現在)

「債務の上限」とは
アメリカでは法律で、債務=借金ができる上限が決められています。野党共和党は、歳出削減に踏み切らなければ引き上げは認められないと抵抗しています。引き上げが認められなければ、来月1日にもデフォルト・債務不履行に陥り、800万人の雇用が失われるなど景気悪化につながると指摘されています。

アメリカがデフォルトになれば大事ですが、株式市場もいまのところ比較的冷静です。債務上限をめぐる対立は今回が初めてではなく、政治の駆け引きに利用されているためだと理解しているからです。

深刻だったのがオバマ政権のときです。わたしは当時、経済専門局でデスクをしていましたが、協議の行方を見守る市場は、合意できるのか、固唾をのんで見守っていました。「協議が再開する」という外信の一報を伝えただけで株価が大反発したのを覚えています。

「ねじれ議会」の産物
そもそも対立が起きるのは、現在、上院は与党民主党が優位なものの、下院は共和党が多数を占める「ねじれ議会」になったからです。議会に精通するバイデン大統領は「憶測はしない。わたしは長年、こうした協議に関わってきた。土壇場でまとまる協議もあれば、早い段階でまとまる協議もある」と話します。

「政治ショー」による政策運営の停滞は国民生活に影響を与えるだけに避けなければなりません。その一方、二大政党制のアメリカでは、常に政策について切磋琢磨する土壌があるともいえます。日本でも政権交代の前後に「ねじれ国会」がありましたが、いまや遠い過去です。

他人事ではない「財政危機」
アメリカ政治を単純に分けると「保守」である共和党は自助努力を尊び、「小さな政府」を志向しています。「自分のことは自分でやるから介入しないでくれ」という訳です。翻って日本を見るとアメリカ流の「保守」を掲げる政党はないようです。ほとんどの政党が「大きな政府」を志向していて、財政支出が膨らみ続けています。

競争社会で格差が激しいアメリカより日本の方がましだとも思いますが、国債など日本の借金は膨れ上がっています。債務は1270兆円に達し、過去最大となっています。信用にかかわるだけに財政危機への警鐘を鳴らす専門家もいれば、資産も十分にあるので問題はないと主張する専門家もいます。

社会保障を維持しながら財政運営を行なうのは至難の業です。しかし近いうちの首都直下型地震や富士山噴火も想定される中、政治的には不人気でも歳出への切り込みが必要です。そういう意味で「政治ショー」化しているとは言え、債務上限の設定も一つの糸口になるのではないかと思います。

借金を抑える仕組みを
藤沢市の今年度予算は一般会計で1600億円を超え、過去最大規模となりました。税収は増える見込みで、市債の発行は抑えられましたが、特別会計と合わせた残高は1300億円を超えています。

予算案を提示するのは行政、つまり市長の権限であり、議会の役割はそれを審査することです。予算委員会では各事業について細かく審査しますが、どうしてもここの事業にもっと力を注いでほしいという要望が多い傾向があります。

年間を通して必要な事業が出てきて、補正予算として処理され、当初予算よりも歳出は拡大します。また自分の意に沿わない事業があったとしても、採決は予算案全体で図るため、よほどのことがない限り、予算案自体に反対するのは現実的とは言えません。

借金を抑えなければならないのは国だけでなく、地方自治体も同じです。アメリカのような国の債務を抑える仕組みを取り入れることは難しいですが、地方自治体ならば導入しやすいのではないかと考えます。藤沢市が率先して、債務上限の設定を行なうことは、今後の健全な財政運営に役立つ一つの方策なのではないかと思います。

アメリカ議会

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