高知県では津波による被害を少なくするため、まず高台など避難スペースの確保を進めています。避難場所から円を描いて、お年寄りの徒歩で間に合うか点検します。対象となるのは508の地区で、適切な避難場所がない空白地には、避難タワーの設置を検討しています。
現時点で避難スペースは90%まで確保が進んでいて、当初想定された被害を大幅に抑えられるとみられます。避難タワーについては、今年度末までに103か所が整備される予定です。高知県は、こうした避難場所の整備については、市町村の実質的な負担をなくす独自の仕組みを設けています。
現地視察した室戸市は、9か所で避難タワーが必要だと考えており、現在、3か所目が完成間近です。視察した避難タワーは、鉄骨の2階建てで、高さは10メートル、海面からは20メートル近くになります。屋上の広さは118平方メートルで、120人が避難できます。工事費は1億3800万円、地盤を強化するため地下にも杭が打たれていて、お年寄りが避難しやすいよう、緩やかなスロープも完備されています。