大都市ニューヨーク市にある公園と言えば、セントラルパークを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし市内には、大小合わせて1700以上の公園があるのだから驚きです。特にマンハッタンの中心部にあるブライアントパークは、官民が連携して成功した注目の公園です。
公園は、周りを高層ビルに囲まれています。100年を超える歴史がありますが、1970年代は犯罪が多く、荒廃しました。再生に取り組んだのが、ロックフェラー家の支援を受けた非営利団体です。団体ではまず敷地の高さを周囲の道路と同じレベルまで下げ、見通しを良くしました。中央の芝生など緑を整え、公衆便所もきれいにしました。4年の改修を経て、1991年に再オープンした公園は、人々が集まる空間となり、今では年間600万人が訪れる名所です。おしゃれなレストランやカフェもあって賑わっています。その評価を高めたのが、緑色の小さな移動式のイスです。イスを固定しないことで、利用者が好きな場所に動いてくつろげるよう工夫されています。
現在も市の委託を受けて、公園を管理するこの団体は、特別な空間を維持するには、稼ぐことが重要だとしています。運営費は、「グーグル」や「シティバンク」「エビアン」「NYタイムズ」、それにヨガ用ウエアを手掛ける「ルルレモン」などが拠出しているほか、映画祭やスケートリンク、コンサートなどイベント開催時の貸し出しで賄っています。また公園の評価を高めることで、周囲の不動産価値を引き上げることも目的の一つに掲げています。
わたしは藤沢のまちにもっともっと公園を作りたいと考えています。ブライアントパークのような公園を作れば、環境も良くなり、街のステータスも上がります。それが資産価値も引き上げ、勝ち残る街につながるはずです。