15年前、東京・杉並区の和田中学校で民間出身の校長が就任しました。リクルート出身の藤原和博氏は、改革に乗り出し、全国的に注目されました。
当時の藤原校長の考えは、正解ありきのパズル型の教育を、創造的な積み木型の教育に変えることでした。
改革を進めるための具体的な対策は、4本の柱です。
▲事実上、保護者だけの団体となっているPTAを解消し、地域の様々な住民でつくる「地域本部」に吸収しました。いわゆるコミュニティスクールの要素を先取りした訳です。また、▲校長自らが音頭を取り、実社会に通じる学校外の問題をテーマにした授業を行なう「よのなか科」を始めました。生徒があるお店の経営者になって、営業について考えたり、かつてのテレビ番組「課外授業・ようこそ先輩」のように外部から講師を招きます。
さらに学力の格差に対応するため、▲成績がふるわない生徒にはボランティアが補習を行なう「土曜日寺子屋」を導入しました。上下関係や横のつながりではない「ナナメの関係」の必要性が強調されています。そして▲成績が秀でた生徒には学習塾を活用した補習「夜スペシャル」を導入しました。週に4日間の補習となっています。
こうした改革は、批判の声もある一方、高く評価する声も出ています。民間校長は二代で終わりましたが、先が見えない今こそ求められている改革だと思います。