藤沢市羽鳥にある国登録の有形文化財、旧三觜(みつはし)家住宅について、明治地区の有志らが保存を求めています。
この建物は、地元の名士、三觜八郎右衛門の住宅だったもので、140年以上前に建てられました。当時の民家としては珍しい木造二階建てで、貴重な木材が使われています。
また薬医門と呼ばれる正門は、格調高く、周りの石の塀も見ものとなっています。
建物は、国登録の有形文化財となり、藤沢市や地元有志の協力で、一般公開されています。しかし、相続の関係で、所有権が民間に移ったことから、建物の保存が厳しくなっています。
三觜八郎右衛門は、教育に熱心で、明治時代、民間の私塾の開校に尽力しました。この私塾、「耕余塾」からは、多くの人材が輩出され、吉田元総理もその一人だそうです。
文化財に指定されても、ルールは緩く、保存の義務などはないということです。地元の有志らも、いまのままでの保存が厳しいことは承知していて、藤沢市に対して何かしらの形での保存を求めています。歴史的な価値があるだけに、例えば、正門を近くの小学校の正面玄関に移設したらどうかと思っています。