藤沢市は、藤沢駅周辺をつなぐ地下通路の改修計画案を発表しました。地下通路は、東海道線の下をくぐり、南北を結ぶ部分と北口地下を東西に結ぶ部分で構成されています。地下通路ができてから半世紀近くが経って、老朽化が目立っています。
計画案では、明るく、安全で、歩きやすい空間をめざすとしていて、利用者の行き来を活発にするとともににぎわいを作りたいとしています。
地下通路のうち、東西をつなぐ部分は、長さが80メートル、幅が5メートルとなっているほか、西側のさいか屋前には400平方メートルの広いスペースがあります。
藤沢市では、天井を明るい色にするほか、壁のデザインについてはアーガイル柄が連続するものにしたい考えです。また吹き抜けについては、雨が入らないよう工夫します。さらに広いスペースには、ベンチや人工芝を設けて、イベントが開けるようにします。
今回の計画案は、通路をきれいにするだけで、夢がないなと感じました。南北をつなぐ部分から自転車で地上に出れる出入り口も、市役所方向に通じるだけで、利便性さえ、解消されていません。また西側方向への人の流れが少ないのに、広いスペースをただ整備しても、利用が増えるのか疑問です。
わたしは、地下通路の概念を変える時期に来ていると思っています。ただ人が通るだけの場所から、わざわざ通りたいと思わせる場所に変えるのです。2階にある駅舎も、南北をつなげる自由通路もそうですが、こうした場所は、文化芸術を発信する場所になれると思っています。
写真を見てもらえればお分かりのように、通路自体を水族館にあるトンネル水槽のイメージで、現代アート風にデザインすれば、地下通路の価値も一変するのではないでしょうか。芸術やアートに触れ合う機会の多様化は文化都市藤沢にマッチするはずです。