緊急事態宣言が出される中、藤沢市の新型コロナウイルスの感染が急拡大しています。1月の感染発表は、16日時点で489人となっていて、半月ですでに先月を上回って過去最高のペースで急増しています。
年代別では「20代から30代」が半数近くを占めています。ただ重症の患者はおらず、中等症が6人となっていて、ほとんどが軽症です。
感染経路は、半分以上が不明で、家庭内と接触者がそれぞれ2割ほどとなっています。ただ感染経路が特定できなくてもどこかで感染しているわけです。ウイルスがヒトとの接触で感染することを考えれば、人混みを避けることが肝要です。
これまでの感染発表も1272人に上っていて、6人の方が亡くなっています。
急拡大で病院もひっ迫しています。神奈川県によりますと入院している重症の患者は106人で、すぐ使えるベッドは6床しかありません。中等症向けのベッドも9割が埋まっています。
県では病床を確保するため、働きかけを行っていますが、厳しい状況は変わりません。平均陽性率も19.88%に跳ね上がっています。
日本の医療体制については、中小の医療機関が多く、専門医が分散していて、集約化が必要です。しかも民間が多いため、協力を得るのが難しく、法律の改正が急がれています。
時間が足りない今、既存の公立病院を新型コロナの専門にすることが近道かもしれません。東京都は、公立など3つの病院を専門病院にします。ただほかの病気で入院している患者を転院しなければならず、受け入れ先を探すのも大変なようです。
急拡大で保健所もひっ迫しています。このため県は、感染者からの聞き取りによって、感染経路や濃厚接触者を調べる「積極的疫学調査」を絞り込むと発表しました。
医療機関や高齢者施設、学校、それに保育園などでの調査を優先し、一般の感染者については、同居している家族以外は濃厚接触者を調べないことになります。
市中感染が増える中、合理的な判断ではありますが、工夫も必要だと思います。調査は2週間の行動を追跡するものですが、感染力が強くなるのは発症の前後です。この数日間の行動に絞って聞き取りを行ない、個人を特定しない範囲で情報を公開したらどうかと考えます。
日本の対策の柱を成してきたクラスター潰しが限界を迎える中、PCR検査の拡充によって感染を封じ込めようという動きも出てきています。
広島県は、中心部を対象とした大規模な検査を行なうことを明らかにしています。PCR検査によって症状がない感染をいち早く探し出そうというもので、すでに世田谷区が先行しています。介護事業者などを対象に検査を実施しています。
わたしも感染リスクが高い対象に限定した検査については有効だと考えますが、大規模な検査については費用対効果の面からもどうなのか見当がつきません。広島県の大胆な取り組みに注目しています。
藤沢市民の皆様も、これからが正念場です。自分の命を守りましょう。そして周りの人の命を守りましょう。