藤沢市が実施した調査で交通量が初めて減ったことが明らかになりました。ネットなど業務形態が変化したためだとみられます。
この調査はパーソントリップ調査と呼ばれるもので、人が目的をもってある地点からある地点に移動するのを1トリップとして調べたものです。
藤沢市の2018年時点の交通量は合わせて113万トリップとなり、10年前の123万トリップと比べて8%減っています。交通量は50年前の2倍以上に増えていますが、10年ごとの調査で初めての減少となりました。高齢化が進んだこととネット販売が増えたことが原因だと考えられます。
ひとつのトリップの出発と到着の総数を示すトリップエンドの総量を地区別で見ますと▲鵠沼や▲藤沢、▲湘南台などが多いものの、減少しています。とくに大庭の減少幅が大きくなっています。その中で開発が進んだ明治だけ大きく伸びています。
藤沢市外との交通量ですが、▲横浜市の中心部や川崎市を含む神奈川県東部が圧倒的に多く、▲東京、▲茅ヶ崎市と寒川町、▲大和市など4市、▲鎌倉市など2市町などと続きます。
一方、交通手段別の割合ですが、▲鉄道が28%、▲自動車が26.2%、▲徒歩が25.9%、▲自転車が14.4%、▲バスが3.2%となっています。10年前と比べて自動車が3.6ポイントも減っているのが特徴ですが、高齢者に限ってみれば鉄道の利用が少ない代わりに自動車の利用が3割を超えています。また神奈川県と比べますと藤沢市は鉄道の利用が少なく、自転車の利用が多いのが特徴です。
鉄道の駅の乗車人数は、JRと小田急とも▲藤沢駅が圧倒的に多く、1日で20万人近くになります。▲辻堂駅が前より3割も多くなっているほか、▲湘南台駅が1割増えています。
調査はコロナ危機前なので、在宅勤務が増えていることを考えれば交通の現状も変わっているかと思います。鉄道網が充実している藤沢市にしては、鉄道の割合が意外と低いなと思いましたが、その分、自転車と徒歩で4割を占めていることは、環境にやさしいまちとして誇るべきことだと思います。
そういう意味で駐輪車の増強やシェアサイクルの充実、さらなる大胆な交通政策が必要です。その一方で高齢者の利用では、自動車の割合が高くなっていることを考えれば、駅でのバリアフリーや駅までの交通手段の充実が必要です。