東日本大震災が発生してから12年となりました。わたしも車で現地に入りましたが、海側から行く計画だったのに誤って山側から沿岸の街に入りました。
まだ海も見えない山間部なのに海へと流れる川の上流沿いには、倒壊した建物のがれきが積もっていました。津波は川をさかのぼって、上流まで被害をもたらしていたのです。
街は一部を除いてほとんど流され、建物の基礎部分だけが残っていました。海岸まで距離があるのに人影もまばらです。衝撃は街を去った後も続きました。当時の市長の妻のご遺体が見つかったというのです。
被災した方のご苦労がどれほどのものか想像すらできません。藤沢市民を守りたいと強く思いました。想定される津波にも最大の高さがあります。藤沢の沿岸部の住宅街ですとだいたい3から4メートルです。このため避難ビルの指定など対策が進められています。ただどうしても上に逃げるだけの対策に一抹の不安を感じます。
昨年末の一般質問ではライフジャケットの可能性について研究してほしいと提案しました。東日本大震災の犠牲者の9割が溺死です。研究機関の実験では、ライフジャケットを着けなかった場合、ダミーは水中に沈んでしまったのに対して、着けた場合、頭部は沈まず、水面に残ることが分かっています。東北大学は民間と連携して専用のライフジャケットを開発しています。
藤沢市としては、一定の効果は認めつつ、かえって避難の支障になりかねないとしていますが、防災安全部はすぐに業者から聞き取り調査を行なった上、防災グッズを展示している市役所の一角にライフジャケットも置いて紹介していただいています。
やはり避難が難しい区域もありますし、お年寄りや障害者ら支援が必要な方もいます。津波に巻き込まれた場合の対策についても検討する時期に来ていると思います。津波対策は総力戦です。がれきをどう防ぐかなど課題もありますがライフジャケットの可能性について検討するときだと思います。