わたしが記者時代に静岡で警察を担当していたころ、浜松市の中学校の生徒が、自殺しました。学校でのいじめを苦にしたとみられます。
学校側は、当初心当たりがないとしていましたが、クラスの生徒に話を聞いてみると話しは違いました。いじめの中心となっていたと思われる生徒たちの名前も出てきます。
取材を進めていくうちに、子どもたちが自尊心をもっていて、教師どころか、自分の親にも、いじめられていることを明かせられない心情が浮かび上がってきました。
さらに子どもたちにとって、安心できるはずの地域が、かえって壁になっているケースも伺えました。身近な地域は、人間関係が濃密なため、助けを求めれば、即座に情報が漏れて、いじめている側が反撃してくるのではないか、と警戒するのです。
このため、学校や地域と切り離された外部の方が、相談しやすいのではないかという考えに至りました。幸い藤沢市には、行政を監視するオンブズマン事務局があります。また横浜弁護士会や地方法務局も相談窓口を設けています。
さらに暴行や恐喝は犯罪行為であり、いじめとは区別しなければなりません。文部科学省も、学校に対して、警察との連携を呼びかけています。