藤沢市議会の委員会で否決されたある陳情が忘れられません。マンションの駐車場の設置基準をなくしてほしいという陳情です。
藤沢市は条例で、マンションに対して世帯数の70%から80%分の駐車場を作るよう求めています。(藤沢市特定開発事業等に係る手続及び基準に関する条例)
ところが自動車の保有台数が減って、使われないケースが多く、修繕費用が余分にかかってしまうと主張したのです。
これに対して市側は、基準は路上駐車を防ぐために必要であり、条例制定時は適切だったが、社会情勢を見ながら10年単位で対応していく考えを示しました。1996年には一世帯当たりの普通自動車の保有台数は、0.83台でしたが、16年後には、0.67台に減っています。
最近、横浜のマンションに住んでいる友人から、管理組合で議論となった挙句、一部の立体駐車場を廃止することになったと聞きました。条例の制定前に建てられたマンションは、対象から外れているため、可能だったと思われます。車を手放す世帯が多く、使われない駐車場が増えており、これ以上、維持管理ができないのだと言います。
最近ではカーシェアリングやライドシェアなどマイカー所有の概念自体も変わりつつあります。去年一年間の新車販売台数は、500万台を下回り、ピークだった1990年と比べて36%減少しています。人口減少時代を象徴する話だと思います。