元藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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藤沢市の医療提供体制とワクチン接種

新型コロナの新規感染が止まらず、医療現場は危機的な状況です。とくに神奈川県の重症向けのベッドは、最大確保病床である199床を超え、懸命のやりくりが続いています。入院が220人を超えたことから、急きょベッドを60床前後増やして対応しています。

中等症向けもひっ迫していて、最大確保病床である1591床を超えて増やしています。しかし、入院が1300人を超えて、利用率は8割を超えています。問題となっている自宅療養も1万5000人を超えています。

いま再び医療提供体制の増強が叫ばれています。海外と比べて感染も少なく、ベッド数も多いのに、コロナ専用のベッドが足りず、適切な治療が受けられない非常事態です。県内でもこの春先、医療崩壊のような状況となり、最大確保病床も増えましたが、十分ではありませんでした。いわゆる臨時的な施設である野戦病院の必要性も指摘され、大いに賛同するところです。

県も湘南アイパークに臨時施設をつくりましたが、これに続きません。増えない理由として、▲日本は民間の中小医療機関が多い、▲小さい医療機関では、院内感染を防ぐ動線の確保が難しい、▲呼吸器系の専門医が少ない、▲エクモなど医療機器が限られているなどです。藤沢市の医師会でも、医療資源が限られる上、ほかの治療との兼ね合いがあると指摘します。コロナを優先するには、ほかの緊急治療をあきらめなければならないのです。病床を増やすには、こうした個々の事情を汲みとる必要がありそうです。

(医療体制の増強に二次医療圏の活用を)
県が中心になって、重症度に応じて病院を分ける「神奈川モデル」は素晴らしい仕組みです。その一方、都市部は行政単位が余りにも大きくて「機動力」を発揮しにくいのではないかと感じます。県も専門チームが個別に協力を求めてきましたが、上からの要請には限界があるのではないかと察します。

ミニ「神奈川モデル」とも言えるのが、長野県松本市などが推進する「松本モデル」です。注目すべきは、推進母体が3市5村からなる「二次医療圏」である点です。医療圏はもともと最適な医療体制を模索する制度で、松本市は「常日頃から連携の枠組みが築かれてきた。そうした積み重ねの一つの形だ」と強調しています。

神奈川県の「二次医療圏」の一つが、「湘南東部医療圏」です。藤沢市と茅ケ崎市と寒川町で構成します。県の負担を減らすためにも、例えば藤沢市が率先してこの「二次医療圏」に協力を呼びかけることで、中等症以上の患者を診る臨時施設をつくれないものかと考えます。

最近、福井県が軽症向けの臨時施設をつくりました。福井県の人口は70万余りです。「湘南東部医療圏」の人口を合わせるとちょうど70万余りです。身近で小回りが利く「二次医療圏」という仕組みを今こそ活用すべきだと思います。

8月に入ってからの藤沢市内の新規感染は、22日現在、1906人に上り、累計も5000人を超えています。重症は5人で、中等症は23人で、これまで亡くなった方は42人です。自宅療養は450人で、医師などがオンライン診療などで対応しています。家庭内感染が増えていることを考えれば、藤沢市がホテルなどを借りて、家族のうち希望者には宿泊してもらうことも検討すべきだと思います。

(ワクチンは集団接種に特化を)
藤沢市は、ココテラス湘南などでの一般向けの集団接種を9月から開始します。 一回目は合計11日間で、二回目はそれぞれ3週間後です。予約開始日は希望する接種日によって違っていて、ココテラス湘南でのいちばん早い予約の開始は、8月26日です。予約は電話かインターネット経由となります。

藤沢市は集団と個別接種を合わせた方式を採用していますが、一般向けとなったいま、集団接種に特化した方がいいと思います。わたしも最近、予約をしようと医療機関に電話したのですが、いっこうに繋がらず苦労しました。どこの医療機関でワクチンがあり、受付しているのかさえ分かりません。厚生労働省が管理しているリストもあまり情報が更新されていません。

電話予約を通して、日本の医療の特徴を垣間見た気がしました。年を取り、通院の機会が増えると地域に診療所がたくさんあるのは頼もしいものです。そういう意味で、藤沢市が個別接種を柱にお年寄りへの接種を着実に実施したのは間違っていなかったと思います。しかし、あまり通院することがない若い世代は別です。若い世代にとっては、予約方法も接種場所も一元化した方が便利です。いまの段階では、医療資源が分散して、集約できないのは効率的とは言えません。

(臨時休校か分散登校を)
もう一つの問題が、小中学校の新学期です。文部科学省は、一律の休校は求めず、各自治体に委ねる考えを示しています。子どもの感染が増えていて、保育所の休園が相次いでいる現状を考えれば、何も手を打たず、学校を再開すればどういう事態になるかは目に見えています。

わたしは臨時休校した方がよいと考えますが、コロナ対策を施しながら、学校での学びを保障したい教育委員会の立場を考えれば、せめて分散登校など人数を制限する必要があると思います。

先日は、学校でのコロナ対策の強化を訴える保護者の方が教育委員会に申し入れを行ないました。基本的な対策として、▲換気の徹底、▲教職員への不織布マスクの着用推奨、▲二酸化炭素の濃度を測る機器や空気清浄機の設置、▲希望する教職員への優先的なワクチン接種などを求めています。その上で感染爆発期には、オンライン授業を用いた選択登校制や、分散登校の導入を要望しています。  

内容をみると極めて現実的だと思いますし、いかにハイテク機器の活用を軽んじてきたのか痛感します。オンライン授業については、教育委員会も推進していますが、教える側の経験不足が課題となっています。いまは緊急時ですので、オンライン授業にも長けた民間の力も活用すべきだと思います。

医療提供体制とワクチン接種

藤沢市議会議員 清水竜太郎
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