藤沢市議会議員 清水竜太郎 オフィシャルサイト

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環境政策としてのみどり化

藤沢市役所近くの税務署前にあるイチョウ並木が伐採されました。イチョウ並木の西側にある崖下の歩道を広げるためで、わたし自身も伐採の理由については納得したものの、いざ伐採されるともったいない気持ちになりました。60年に渡って市民に親しまれて来た風景が消えたのです。

一方、東京の神宮外苑の再開発では900本の樹木を伐採する計画でしたが、歴史ある樹木が伐採されることに住民や専門家から反対する声が挙がりました。わたしも神宮外苑にあるスケートリンクを使っていたこともあり、都会の中での少ないみどりを守ってほしいと願っていましたが、事業者はその後、伐採する本数を4割減らす案を提示しています。

専門家の一人は、神宮外苑の緑地は公共性の高い空間だと指摘しています。東京都の審議会も環境保全措置を徹底して行なうことが重要だとする答申をまとめています。別の専門家は、事業者は持続可能な開発目標・SDGsに見合った行動を取るよう呼び掛けています。

ことは樹木を切るか切らないかにとどまらず、これからの時代に見合った都市計画はどうあるべきなのか、環境政策としてのみどりの保全をどうしていくのかが問われているのです。

樹木の保全と言いますと去年、鵠沼の境川沿いの道路に生えていた2本の樹木を思い出します。2本はエノキとクロマツで、ともに遊歩道と市が保有する土地の間から生えていて、幹や枝が道路に飛び出す格好となっていました。このため安全の観点から両方とも伐採することになったのです。 

ところが、地元の住民らが伐採しないでほしいと藤沢市に働きかけ、わたしも考え直してほしいと申し入れました。その結果、根が張り出して道路が盛り上がっているエノキは伐採されましたが、クロマツは伐採されずに残ったのです。道路維持課は伐採する計画でしたが、土地をもつ公園課が残すよう努力してくれたようです。もちろんクロマツが残った最大の理由は住民の方々の思いと行動にほかなりません。

ここである疑問が湧いてきます。市役所内でどれだけ安全を確保しつつ、みどりを守ろうという議論が行われたのかということです。遊歩道の安全を担うのが道路河川部にある道路維持課です。道路の安全よりも街路樹の保全を優先したとしたら本末転倒です。 

かたや緑の基本計画ではみどりの保全のために公園整備を進めると書かれています。ところが公園課をはじめ、みどり保全課、街並み景観課など本来みどりを守るべき担当課はすべて都市整備部や計画建築部といった建設部門の下に入っています。いまの建設部門は開発志向が強く、みどりを守る余裕は感じられません。

SDGsの15番目は「緑の豊かさを守ろう」です。藤沢市がさきごろ改定した環境基本計画の中では、目標として「藤沢ならではの景観の保全、良好な環境をつくる」、「都市公園など新たな緑がつくられ、潤いのある生活が送れる」ことを掲げています。みどりを守ることが環境政策の一つであることは藤沢市も認識しているのですが、環境政策を主導しているのは建設部門ではなく、ごみ処理などを担当する環境部なのです。

わたしも会社組織に属していたので分かりますが、戦ってくれる上司がいなければ部下の要望は通りません。藤沢市が本気で環境政策を進めたいなら、本来みどりを守ろう、増やそうとする担当課が建設部門に入っているのは筋違いだと思います。環境政策を総合的に推し進める独立した部局をつくるか、環境部に入れるべきだと考えます。  

いまのままだと藤沢のみどりは、里山や田畑は守るけど、都市部や住宅地は仕方ないということになり兼ねません。難題ではあるけれども「見えるみどり」を増やしていくことこそが藤沢の価値向上につながるんだと思います。

環境政策

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